7日目
高尾駅ー小仏峠ー小原宿ー与瀬宿


2003年9月27日、秋晴れというにはかなり暑い土曜日。
難所と言われる小仏峠越えです。
高尾駅を出て、国道20号線をすすみ、JRの高架ををくぐると、旧甲州街道との分岐点に来ます。
この分岐点付近を小名路といい、かつては関所破りの罪人を磔にしたという恐ろしい場所です。
分岐すると緩やかな登り坂になりますが、小仏部落までバスが通っているので、道は舗装され
歩きよい気持の良い道になります。

左国道20号線、右旧甲州街道
京王バス停小名路
旧道に入ると緩やかな登り坂

12.駒木野宿(東京都) 行程
気持良く5分ぐらいだったか歩いたとき、右手に公園風の小仏関所跡に出会います。

史跡・小佛関蹟 史跡碑の足下に

甲州街道駒木野宿の碑

明治2年まで使われていた建物は、
もちろん残っていませんが、
関所があった場所全体が
公園として残っていました。
ここは、駒木野宿のあったところ。
日本橋から12里の地点になります。

小仏の関所は、
かつては小仏峠の頂上にあったとの
ことですが、だんだん低いところに移動して、
現位置になったとか。
関所跡の目と鼻の先に念珠坂があります。
坂といっても、たいしたことはありません。ほんの少し高くなっている程度です。

念珠坂に可愛いお地蔵さまがーー。 振り返って念珠坂を見る!

このあたりから、実に気持の良いのどかな山道が続きます。
気が付けば道の左側に透明な小川がーーー。

火の見櫓の近くにお地蔵さまがーー。

右上の明るいところが旧甲州街道
13.小仏宿(東京都) 行程
しかし、このあたりには、首都圏中央連絡自動車道(通称:圏央道)建築に反対する看板が目立ち始めました。
気が付けば、美しい小川沿いの道はJR中央線と中央道に囲まれて、騒音は相当なものでした。
中央道に繋がるが圏央道できれば、自然破壊は更に進むでしょう。

この建物はなんでしょう?

しばらく行くと水飲み場があって、冷たい清水で喉を潤すことができます。
水飲み場を過ぎると、あらら、これはなんでしょう?(上の写真です。)
電話局前なんて書いてあるのもあるので、それほど古いものではないようです。


摺指につくと、美味しいお豆腐屋さんがあって、ここでおからでできたドーナツがあるという。
楽しみしていたお豆腐屋さんはすぐに見つかって、ドーナツは5個入り350円でした。
甘さうーーんと控えめのなかなかいけるドーナツでした。

気持の良い道をとことこと! 宝珠寺の大きなカゴノキ

お昼がわりに買ったドーナツは背中に入れて、マス釣り場で昼食をと思ったのですが、
ここにある釣り堀は、自分で釣らないと食べさせて貰えないと分かってがっかりしました。

小下沢橋を渡って坂を登って行くと、中央線のガードをくぐり、今まで左にいた中央線が右になります。
橋を渡ったのですから、小川も右側に来ています。この小川、2箇所で鴨が泳いでいるのを見ました。
ここから少し進むと小仏の集落となり、集落の外れにバスの終点がありました。
バスの終点を過ぎて少し進むと、宝珠寺があって、坂を登るとお水を飲ませていただけます。
坂の途中に都の天然記念物のカゴノキがあります。

アスファルトがきれて、砂利道に。

ここから、小仏峠までが実にたいへん。
両脇に杉が植林してあります。
その鬱蒼とした道をまるで登山です。
すれ違う人が、「逆コースのほうが楽なんですよ。」

参勤交代の大名行列が通った道。
篭に乗っていても、殿様も楽じゃない!
とブツブツ言いながら、ひたすら登りました。
小仏峠に着けば、茶店があると
ガイドブックに書いてありました。
今日は行楽日よりだから、ひょっとすると
営業しているかもしれません。
それを楽しみに登り続けるとやっと峠につき、
休んでいる人姿が見えてきました。
頂上は広場になっていて、茶店もあったのですが、もう何年も前に閉鎖したという感じです。
微かに期待していたので、がっかりしましたが、気持の良いそよ風とおからドーナツで元気を出しました。

小仏峠頂上のお地蔵さまー花は造花

遠くに高尾の町が見えます。
小仏峠は、ハイキングコースがいろいろあって、登ってきた道も含め下る道が5本もありました。
甲州街道を間違えないように確認しました。
この峠が東京都と神奈川県の境目です。
日本橋を出てから東京都をズーーッと歩き続けて、やっと神奈川県に入りました。

鬱蒼とした下り道 中央高速道路の下に

登って来たときは、すれ違う人が多かったのに、下りではほとんど人に会いませんでした。
下りの道の方が荒れている感じがあり、膝を痛めないよう注意して下りました。
しばらく行くと舗装道路になりましたが、ここから小原宿までの旧道は、中央道の工事の際埋もれてしまい、
今は廃道になっています。部分的に残っているのが右上の写真です。
小原宿から中央道の橋脚まで登って、見てきた貴重な写真です。
旧道は廃道になっているので林道で国道20号線に出るしかありません。
歩いたのは、底沢のバス停に出る道です。

14.小原宿(神奈川県) 行程
あとは、本陣の建物が残っている小原宿が
今日の最後の見所です。

旧道は小原本陣の裏に来ているということで
たどってみましたが、小仏峠からの道には
もちろん繋がっていません。


左の写真ですが、正面は国道20号線、
向かって右側に小原本陣があります。
旧道は、本陣の真裏に来ていて、
向かって左側から本陣を回り込んで
国道20号線に合流しています。

ですから、この部分は、旧甲州街道です。

小原宿の入口・変わったススキが!

雰囲気のある小原宿
小原宿の入口に変わったススキがある家がありました。左上の画像をご覧下さい。
小原宿は、天下の国道20号線が通っていて、車がビュンビュン往来するのですが、
その佇まいは、なかなかの雰囲気があります。

さぁ、いよいよ小原本陣です。

本陣の正面

側面から見るとーー。
相模湖町教育委員会作成のパンフレットから転載

神奈川県内で唯一残っている本陣の建物で、
最近まで所有者の清水家が
住居として使っていたそうです。

現在は、相模湖町が買い上げ
教育委員会の管理になっていて、
無料で一般公開されています。


築山のある庭が非常に立派で、
上段の間からの眺めが素晴らしいです。
二階はかつては、養蚕に使われていて、
現在は昔の道具(石臼、千歯、大八車等)が
展示してあります。
平野で国道20号線と分かれます。

国道20号線沿いにある南無阿弥陀仏の碑。
車の往来が激しい道でも、こういうのを見ると昔懐かしいというか、心がほのぼのします。
ああ、ここは昔の人が歩いた道なんだとーー。


小原のバス停で旧道は国道20号線と分かれて右に入ります。
国道沿い左側に、ひらの旅館があります。
この手前、旧道は国道20号線の甲府に向かって左側にあったのですが、今は道がなくなっています。

正面が国道20号線

こちらも正面が国道20号線
ひらの旅館の裏の道を登るとかなりきついのですが、我慢してぐるっと回る感じで進むと
正面に国道20号線が見えて来ます。
途中、旧道は階段を下りることになりますが、『与瀬宿』の道標があるので迷いません。
階段をおりて細い道を、また回り込むように進むと、正面が国道20号線となり、

しばらく国道を歩くことになります。
程なく、JR相模湖駅になり、このあたりが『与瀬宿』になります。



  

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